作品番号 tp0003

SSIクバルカン 破烈の人形 (1/100スケール、WORK SHOP CAST)

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 (C) TOYSPRESS



 (↑これ) 56kB     (全身) 53kB



( fj.rec.models 記事より。 )
Newsgroups: fj.rec.models
From: ryuk@ics.cpd.mei.co.jp ()
Subject: [Char] Haretu No Ningyou
Message-ID: 
Sender: news@chorus.isl.mei.co.jp
Nntp-Posting-Host: 132.182.9.25
Organization: Matsushita Electric IND. Co.,Ltd., Osaka, Japan
X-Newsreader: TIN [version 1.1 PL8]
Date: Thu, 18 Aug 1994 10:30:11 GMT
Lines: 240

日高「夏休みから帰ってきました」@松下電器


「1/100 SSIクバルカン 破烈の人形」 製作レポート


数あるFSSモーターヘッドの中でも優美なラインでベストデザインの一つ、
「SSIクバルカン」キャスト社製の製作レポです。

キットについて

        キット自体は約2年ほど前に発表されたもので、今回は再販のようです。
        縮尺は1/100。 レジンキャストとホワイトメタル製で
        19800円です。
        各間接は球体になっており、ポーズ選択はフリーとなっています。
        一瞬「全間接可動」などという、悪魔の囁きが頭をよぎるんですが、
        キャストむくのパーツの重量をきちんと支える間接を作るのは、大変です。
        あっさりとあきらめました(^_^)。
        
        このキットの特徴はアーマー部の文字様のデティールが きちんと
        作られていることです。
        他のメーカーの場合、文字のフチドリだけ凹モールドで囲ってあったり
        するんですが。
        
        私が入手した分は 気泡も少なく、パーツの歪みも小さかったです。
        (最近のレジンキャストの品質向上は凄いですね)


製作

1.パーツを洗う
        
        全てのパーツを ぬるま湯+ホーミングタフを使って、歯ブラシで
        ゴシゴシこすり洗いし、離型剤を落とします。
        
        細かなパーツも多いのでザルを受けて不用意にパーツが流れていかない様に
        します。
        
        
2.パーツをチェック
        
        パーツ不足、パーツ欠け、気泡などをチェックし、気泡等は分かる様に
        色鉛筆などでチェックを入れておきます。
        
        頭、胴、腕、脚、アーマーといった部位別にパーツを分け、ビニール袋に
        小分けしておきます。
        
        
3.パーツの下拵え
                
        各パーツのバリ、ランナーを削りとり、軽くパーツ単位での仮組を
        行います。
        
        頭部に立つマスト等には細かい文字のモールドが刻まれていますので
        サーフェイサー等でたるくなることを前提に深く刻みこんでおきます。
        
        この時にはアートナイフとケガキ針が便利です。
        
        チェック済みの気泡はプラパテや瞬着で埋めて、パーティングラインも
        消します。

        仮組に先だって、各パーツそれぞれを真鍮線で接続出来るように、穴を
        開けて置きます。
        
        腕や脚、胴体といった大物は2mmで、アーマーなどの小物は .5mm
        の真鍮線を使います。
        
        今回はポーズフリーということで、ほとんどの間接部分が、球体と球面
        で接していますので、穴を開ける場所・穴の方向などに注意しなくては
        なりません。将来の組立て状態を想定して、隣り合うパーツ同士での接続
        を確かめて開けます。
        
        # しかーし、実際、肩ブロックと二の腕には4回も穴を開け
        # 直してしまった・・・
        
        こうして開けた穴には真鍮線を通す事で、サーフェーサー吹きや塗装時の
        支え棒とすることができて便利です。

        すべてのパーツにソフト99のプラサフを吹き付けてやります。この
        プラサフ今回初めて使いましたが、大変良いです。
        塗膜が薄く、食い付きが良い上、ノズルの性能が良く、プラサフの
        霧が吹き始め、吹き終わりとも一定しています。メリハリの効いた
        噴霧が行えます。
        
        サーフェーサーを吹くと、気付かなかった気泡が続々と見つかります。
        も一度パテや瞬着を使って埋めてやり、表面を丁寧に仕上げます。
        
        # 今回、気泡が多かったのは胴体の「ジャバラ状のモールド」部分。
        # 他には腰後ろ側の大きなアーマーの文字状モールド部分、肩のブロック
        # です。
        # 足はそれ程 気泡がないのですが、白で塗装されるので,細かな
        # 傷も逃さず仕上げます。
        
        

4.仮組!

        ポーズフリーは 様々なポーズが組めるというメリットの反面、バランス
        良く「骨格の入ったポーズ」を作るにはちょっと手間がかかります。
        そこで、何度も仮組をしては、ポーズのチェックを繰り返す作業が必要に
        なります。
        

    ・胴体の組立
        仮組はまず、胴体部分、胸・腹・腰の3パーツを組み上げ、頭周りとの
        干渉をチェックします。大きく後ろへ延びる頭部の下側と
        胴体の干渉は特に注意しておかないと、最後の最後で「頭が付けられない!」
        状態になります。
        
        # 今回ポーズはごくオーソドックスに「すっくと立った」状態を選択し
        # ました。
        

    ・脚の組立

        次に脚を組み上げて行きます。説明書にもあるように 脚全体をややそらせ
        気味にし、腰を前に突き出す風にします。
        
        左右の脚を組んだら、足にかかりますが、御存知のように このMHの
        足は高く、細いヒール状になっており、仮組のままでは不安定です。
        そこで、あらかた組み上げた状態で足底に粘土で「シークレットブーツ」
        を履かせてやります(^_^)。
        
        胴体、脚の仮組でポーズが決定した段階で、両面テープを使ってちょっと
        しっかりめの仮組を行います。
        
        この段階で飾り台になるデコパージュを用意し、足とデコパージュとの
        間も真鍮線で接続してやります。
        
        # 注意!! 足のパーツはそんなに厚みのあるものではないので、
        # 穴を深く開け過ぎないように。


    ・肩・腕の組立

        仮組で一番手間のかかった部分です。右手は エナジーソードを杖の様に
        軽く添えて持ち、左手は大型のベイルを構えますから、各間接毎の角度
        の調整を繰り返して、パーツ毎の干渉なく、不自然でないポーズを探り
        ます。
        
        右腕は肩の角度、肘の角度があらかた決まれば、ほぼ一意にポーズは決定
        します。
        
        左腕は次の要素毎に繰り返しチェックを行っていきます。
        
          胴と肩 −> 肩と上腕 −> 肘 −> 下腕とベイル接続パーツA 
          −> ベイル接続パーツB −> ベイル
         
        これらに肩から下がるアーマー、左手との干渉、なおかつ「かっこ良く」
        といった要素を絡ませてポーズを決定します。
        
        # 実際にはベイルと肩アーマーの干渉をさけるため、かなり不自然なポーズ
        # です(;.;)


    ・アーマーの組立

        腰周り、背中、肩にぶら下がるアーマーを取り付け、干渉がないか
        チェックします。腰のアーマーと両腕との干渉が厄介な問題になります。

        肩と上腕の接続で出来るだけ胴に近い部分に上腕を取り付け、上腕をやや
        「ハ」の字になるようにすると良いようです。

        
        
        その他:
        今回、頭部のマストのみ取り外し可能のままにしました。これはもう
        持ち運びの際に便利なようにです。

        エネルギーチューブの類いは、ホワイトメタルパーツなので、
        いわゆる ガラスチューブにしました。     


5.塗装

        塗装の為に仮組の済んだ各パーツを、一旦バラバラに戻しマスク後
        パーツごとに塗装します。
        
        全体基本色      「上品なパープルグレー」を目指して(^_^)
                白にちょびっとグレーを混ぜて明度を落としてから、
                原色の赤と青をすこしづつのアクリルカラー
                
        脚の白          「磨き抜かれた象牙,あるいはボーンチャイナ」(^_^)
                白にほんのり クリアーイエロー+クリアーオレンジ
                のアクリルカラー

        文字(?)色    「ラピス色」
                ブルー+クリアレッド+白のエナメルカラー
        
        メカ色
                焼鉄+ガンメタル+チャコールのアクリルカラー

6.組立てる
        
        その1
        塗装の仕上がったアーマー以外のパーツを真鍮線を繋ぐように組立て、
        接着面にはエポキシパテを詰めます。
        
        # しかし、この直後のアクシデントで、図らずもエポキシパテでは十分な
        # 接着にならない事が露呈してしまいました(^_^;;)。
        
        その2
        アクシデントの後、塗装の仕上がったパーツを瞬間接着パテを使って
        アーマー以外のパーツを接続していきます。
        SSP瞬間接着パテは匂いがキツイ以外は粘度の調整もできるので
        大変便利です。


7.アクシデント

        エポキシパテでのパーツ接続が終わった段階で艶を一定に押さえる為に、
        艶消しクリアのトップコートを吹きました・・・・
        ところが、アクリル塗装の表面がシュワシュワと泡立って来るでは
        ないですか!!!
        
        手元の缶を見直してみると、「艶消しクリア グンゼラッカースプレー」
        あぁぁぁぁ、せっかくの塗装がとろけていくぅぅぅ(;.;)。
        
        しかたなく、全ての塗装を落とすべくラッカーシンナーに漬け、再度
        やり直しです。
        
        このアクシデントで学んだ事は次の通り(^.^;)
                
        ・缶スプレーのラベルはよく確認しよう!
        ・レジンキャストとエポキシパテは案外接着しにくい。
        ・混色して作った色は最後まで捨てずにとって置こう!
        ・人間追い詰められれば、3日かかった塗装も6時間でやり直せる
          ものだ!
         

大変 長いレポートへお付き合い いただきありがとうございます。キャストキットを
作って見よう! という方に少しでも参考にして頂ければ幸いです。


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  日高 紀幸 @松下電器 IEDC.ペリフェラル商品開発部
                                             RYUK@ics.cpd.mei.co.jp   
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