作品番号 p0000203

ガイメレフ  エスカフローネ
     (1/35スケール、スタジオ ハーフアイ)

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(C) SUNRISE
 

 模型単体(人型形態) 72kB 
模型単体(龍神形態) 44kB        



1997/08/15

スタジオ ハーフアイの完全変形アニメロボシリーズ第2弾。 劇中同様 人型から龍神形態に
変形します(マントと翼は差し替えです)。

キャストキットでの変形ギミック組み込みは ギリギリのパーツ構成のためか、
いくつかのパーツでは「向こうが透けるほど肉が薄い」という状態を見せ、
膨大とも思えるパーツ数と合わせ 久しぶりに「作り応えのあるキット」と
なってます。

塗装は「動く石像」をイメージして 「純白」ではなく かなりグレーかつ
「粗い」表面にしてあります。
 
 
 
 

「1/36 完全変形 エスカフローネ」
の完成記念製作レポです。
 

一部の人には有名なこの スタジオ ハーフアイは ビス止めでの
組み立てを前提とした 変形モノのガレージキットをリリースしている
メーカーです。
これまでも「1/100 完全変形 YF−21」や「1/100 YF−19」
といった ある種 挑戦的なキットを発表してます。

今回のエスカフローネも  人型からドラゴン形態にほぼ劇中同様に
完全変形するのが最大のセールスポイントです。

なんと マント <->翼 以外は 全て差し替え無しの驚異の再現度!

しかも これだけのギミックを盛り込みながらも、両形態ともに
納得ができるバランスのよいプロポーションを両立できているのも
特筆モノです。

まぁ、そこまで再現してるので、膨大なパーツ数とキャストの限界に
挑戦したパーツ構成、ちょっと不親切な説明書、3万円という価格
と 弱点も多かったりします(^^;)。
 

では このキットをこれから作ろう! という 日本で10人はいて欲しい人(^^;)
のための製作レポです。
 

1. 下拵え

      ・部品の数が膨大かつ、良く似た形のものも多いです。
      説明書の総パーツ図も わかりやすいとはいえないので
      慎重にパーツチェックをしましょう。

      ・ビス類も慎重に数量チェックをします。 できれば東急ハンズ
       などで 同じ種類のビスを買っておいて、紛失に備えておきま
       しょう。
    
      ・部品はランナーから外す前に、離型剤落としに漬けたり、
       キッチンクレンザー(クリーミータイプ)と 「かための歯ブ
       ラシ」で 磨きたおして、離型剤をよーくとりましょう。
       特にマント(A5版ぐらいのサイズがある)や 肩パーツ、
       龍の首パーツ は強力についてます。

       ぬるま湯につけて、「指先で表面をなぞるとツルツルして
        いる」のは離型剤が残っている証拠です。
 

      ・上記の時に、細かい部品などが無くなってしまわないよう
         に、 バケツとか、洗い桶で受けてやりましょう。また、水を流
       すときにも 必ずザルで受けながらやりましょう。
 

       ・胸アーマー(=龍の顔)になる部分、肩のパーツは輸送時に歪
       んでいる ことがあるので、80度位のお湯に浸して 軟らかくし
       て修正します。
 

      ・説明書の穴あけの指示のうち、2mmネジを受ける方は必ず
        1.7mmの穴だと考えて間違いありません。
       ○(白丸は2mm穴)と●(黒丸は1.7mm穴)での区別が
        見づらい上に 2mmの貫通穴と対になる1.7mm穴の方
               は特に数字での
       指示がないので注意しましょう。

        ・胴体、両手、両脚、ドラゴン時の両手で7つ ジップロックの
        袋を用意し、パーツを確かめつつ、それぞれの部品ごとに
        分けましょう。

      ・胴体のパーツには「穴をくり抜く」という部品が4つほどあ
       ります。
       ドレメルが無い場合は ドリルでたくさん穴を開けて、残り
       をカッターでつなげましょう。奥まった部分もあるのでちょっと面倒で
       すが。

      ・ドリルの歯は1.7mm以外は 1.5mm〜6mmぐらいま
       でセット(ホームセンター価格 1500円ぐらい)で揃える
       方が 余る分もったいないですが、バラバラでそろえるより
       お安くなります。
 
      ・ピンバイスは1500円ぐらいの片方がクルクル回る皿付き
       のを用意しましょう。キャストですので穴開けに力は入りま
       せん。
       最近は本家のスタジオハーフアイさんから、工具キットと
       いうことで必要な工具が4500円でセット販売されています。
 
      ・ねじ穴をどうするか? を組み立て前に決定しておいた方が良
       いでしょう。
       エスカフローネの場合、関節などの接続以外に「パーツ接
       合を行う」ビスが多数あります。
       今回はご依頼主様と相談の上、関節組み立てなどで必要な
       もの以外は全てエポキシパテで埋める事としました。
       この方がパーツ同士の接合線の処理なども楽ですし見映えも
      よくなります。
 

では 人型での各部分ごとに

2. 頭
   モールドがたるくなっている部分などを 彫り込んでメリハリを
   付けます。首の付け根には龍の首パーツとつなぐ細かいパーツが
   幾つもつながります。これらは細いキャストパーツですが、比較的
   粘りがあるので 慎重に扱えば破損はないでしょう。
 

3.胴
   胸アーマー(=龍の頭)パーツを受けるためのバネとフック を
   仕込むのが少し面倒ですが、バネの案内になる真鍮線をバネより
   2mm長めにしておくと大丈夫です。
   股関節の部品はキャストでは支えきれないので、ご可動様の
   一番大きいボールジョイントと7mmプラパイプで置き換えます。
   ボールジョイントとプラパイプはそのままでは直径差がありすぎ
   ますので [ボールジョイント] -> [5mmプラパイプ] -> [7mmパイプ]
   の順で同心円状に直径を大きくして接続します。
 

4.肩
   肩には貴石(エナジスト?)があるので、そこの部分はピカピカに
   砥ぎ上げます。ここには目立つトコロにネジ穴があるので ここだけ
   でも ネジ穴を埋めると グッとカッコよくなります。
   ここのネジは関節接続には関係してません。ぜひどうぞ。
 

5.腕
  下腕の肘関節のあるパーツと 手首周辺の「袖口パーツ」から の
  ジャバラ状のパーツとの間の接続方法が明記されていませ んが、
  これは「接着しない」が正解です。 夏のワンダーフェスティバルで
  ハーフアイの方に直接 聞いたので間違いありません。

   私はうっかり接着してしまいましたが(^^;)

6.脚

   股関節はキットのままでは自重が支えられないのでポリキャップに
   置き換えます。もともとのキャストのボールジョイントを受ける部分が
   大きいので ここにエポパテをつめてご可動様のもっとも大きいポリ
   キャップを詰めます。

   ふくらはぎパーツは変形のための溝があるため、異様にキャストが
   薄くなっている部分があります。これもエポパテを詰めて
   「重箱のスミを埋める」ようにしてやります。もちろん対になる変形用
   パーツも角を落としてやります。
 

7.足  
  この足は龍神形態では 左右の足の裏を合わせた形で
  シッポの先端  になります。これが左右でズレたりしない
 ように、形合わせをきちんと 行います。
 

8.龍の腕
   ここは良く似た形のパーツを組み上げて いくので、慎重に仮ぐみを
   繰り返します。 パーツの大きさに比べてネジ穴の直径が太いので
   中心を慎重に出しましょう。
   龍の左手に持つ ドラゴエナジストのパーツは普通のキャストと
   透明なキャストの2種類が用意されてま
す。
   今回は透明版を選択しました。透明度も 良いので こちらの方が
   良いと思います。
 

9.龍の首
   人型形態では、首の後ろから背中にかかる パーツです。
   変形に際しては 「<」の形と「>」の形のパーツが開いたり、
   閉じたりするのですが、閉じた状態を維持 するのが そのまま
   ではちょっと 難しいので、0.3mmの真鍮線を閉じた状態で
   留められるように 仕込みます。
 

10.マント
   A4用紙よりちょっと小さいぐらいの「キャストの薄板(!)」です。
   キャストの回りが悪くて、異様に薄くなって いるところや、
   気泡があるので、瞬間接着パテで補修してやります。
 

11.龍の翼
   これもマント同様 異様に薄くなっているトコ があります、
   パテ補修必須です。
 
 

では 塗装編です。
 

各手脚ごとくらいに組み上げたパーツを 丁寧に洗い、充分乾燥させます。

で、表面処理ですが、劇中でのガイメレフの表現や イメージからして
「ピカピカツルツルの金属」ではない、 「ちょっと ザラっとした石」
と解釈して、エナジストを除く、機体のほとんどにシンナーで緩めた
タミヤパテを塗り、鋳造砲塔よりは ちょっと滑らかといったぐらいに
ザラザラした 表現にします。

これにサーフェイサーをまんべんなく吹き、それにベースホワイトを吹いて
下地とします。
 

まずは 肩と 龍の左手が持つ、エナジストを塗装します。

肩は中心から ぼかすようにグリーンをエアブラシして、さらに
クリアグリーン、うんと薄めたクリアブルー、再度 クリアグリーン
と 3段階に分けてクリア系の色を重ねて、「透明な石」ポサを出します。

龍の左手のエナジストの方は、まず裏側になるほうに 濃いめのクリア
レッドを おなじく中心からぼかすようにエアブラシします。
そのあと、全体をクリアレッド、薄めたクリアオレンジ,クリアレッドと
3段階のクリアを吹きます。

その後、エナジストでない縁の部分に銀を吹いてから 機体色を
塗ります。
 

全身については 「石像」のような重厚感を出すべく、全部 筆で
色を積み上げるように塗りました。

色は グレーを少し混ぜたラッカーのホワイトを塗って基本色とし、
ダークなグレーのアクリル塗料のウォッシング、
明るめな白のエナメル塗料でのドライブラシをかけていきます。
 

マントと龍の翼の 裏の赤は 原色の赤+若干の白を加えたモノを
基本色とし、クリアブルー+クリアレッドでつくったクリアパープルを
ごく薄くしたものと、クリアレッドを2回ずつ エアブラシで吹き重ねて、
最後に つや消しクリアで艶を抑えます。

マントの表側の紺は 青+ちょっとの赤を基本色として塗った上に
クリアブルー+クリアレッドでつくったクリアパープルを
と、クリアブルーを2回ずつ エアブラシで吹き重ねて、
最後に つや消しクリアで艶を抑えます。
 
 

こうして 完全変形 エスカフローネは完成し、97年8月の
ワンダー フェスティバル会場にて 引き渡しを完了しました。

「姫様、お待たせいたしました。 ご依頼の品 かように
 完成いたしましてございます」

「天空の模型士の勤め、大儀でありました。
  心より感謝いたします」

「もったいなき お言葉を賜り、模型士として
  栄誉の極みでございまする」

(^^)。
 

では 今も日本各地でエスカ製作にいそしんでいるであろう、
模型士のみなさん、ぜひとも完成させて新たな高みを
目指しましょう(^^)。
 

# なんでも300個が完売したらしいので、1/3の人が
# 完成させれば 「101匹エスカ大行進」ができるはずです(^^)。
 
 
     


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