作品番号 p0000200

連邦軍 汎用兵器廠  RB−79W  B-ツバイ
     (1/144スケール、バンダイ LMボール改造)

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1998/10/18

LM ボール2つを タミヤMMシリーズの37mm対空砲から デッチあげた
フレームで接続した 「B−ツバイ」です。

ついでに マニピュレータの関節も全て可動できるよう改造してます。
手(?)も開閉できます。
 
 
 

[設定]
宇宙世紀の駄っ作機
連邦軍 汎用兵器廠  RB−79W  B-ツバイ

  きちんとまとまったものに「もうちょっと手を加えてみたい・・」と人は
しばしば甘美な誘惑にかられてしまうものらしい。それがたいてい失敗に終
わることを幾多の前例が証明していても。

連邦軍のボールシリーズといえば、ジオン公国軍のMSに対し急拠開発され、
支援用MSとして大量産が計られた戦闘ポッドとして有名である。
民生用の宇宙作業ポッドを原型としたため、本来のモビルスーツには程遠い。
装甲、火力ともに支援砲台の域を出ず、単体での格闘戦などはもとより不可
能というなんとも心もとないシロモノだった。

しかしその一方で熱核反応炉を搭載していないため、MS冷却施設の装備が
遅れていた連邦軍艦艇にとっては運用が容易であり、兵士にとっても操作性
の高さから人気を呼んだシリーズだった。

さらにはかのソロモン、ア・バオア・クーという激戦にあってはGMであろう
がボールであろうがその生還率に大きな違いがなかったのは事実らしい。

こうした安価かつ大量装備を前提とした本シリーズは物量でジオンを圧倒す
るというのは当時の連邦の兵器思想の一つの流れであったのだ。

この安価かつ大量生産可能という点に着目した汎用兵器廠の技術将校
リュウ・タカノはボールの船体殻そのものをモジュールとして利用するアイ
デアを提唱し、戦時の混乱に乗じて試作機予算まで獲得してしまったのであっ
た。

  そのアイデアとは多種の機能を備えたモジュールとしてボールを利用し、
それを組合わせることにより本機をジオンMSに単機で対抗しうるモビル
スーツとして運用しようというまことに酔狂な構想である。構想には2機、
3機を組み合わせるという比較的まともなもの(?)から16機を最密充
填格子にしたモビルアーマー、20機を人型に組み上げた巨大MS、 7
機を直列に配列する龍神形態(コードネーム:ドラゴンボール)、GMを
中心に60機のボールを球形に組み合わせる対要塞戦モジュールなどとい
う常軌を逸したものにまで及んでいたという。

試作予算を獲得したリュウ・タカノは二機のボールを組み合わせ、一方を
完全なプロペラントモジュールとして利用する一見穏健な機体を作成した。
ところがその見かけに反して、この試作機で性能証明を果たそうと欲張った
のか、追加されたモジュールはジオンから流出したというマイクロミノフス
キー機関(M2機関)が搭載され、大出力ビームキャノンの運用すら可能と
いう化け物じみた機体となっていたのであった。

まぁやっぱりといおうか、予想通りといおうか、ボールにそんなモノを持ち
込んだおかげでオーバースペックな火力と推進力が機体バランスを崩し、熟練
パイロットですら操縦に困難を来たすという事態を招いてしまった。これに
対処するためのアビオニクスの改修や、M2機関を安定動作させるいろんな
改装がまたアチコチで矛盾を露呈し、その改修にまた高価な補機を積むとい
う駄作機の黄金のパターンを踏み、「安価」というボールの最大のメリット
も霧散してしまう始末。

試作機のロールアウトこそ計画発動からわずかに2ヶ月というスピードで
あったが、こうしたコマゴマした調整に手を取られているうちにソロモン戦
が始まってしまう。たった二機を組み合わせるだけでもこれだけ難航している
ようではこの構想が採用されなかったのもあたりまえの判断であろう。

  調整を繰り返しながらも2機の試験機はア・バオア・クー戦に参戦、生き延び
た後はビーム兵器のテストベンチとしてのみ利用されたという。

  なお 後にGP−03デンドロビウム計画を知ったリュウ・タカノは
「私の対要塞戦モジュールならあれの1/20の値段で同じ能力が持てるのに」
とくやしがったという。
人が経験から学ぶのはこれほどに難しいようだ。
 


    


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