作品番号 p00000008

1/100  RX-78-2 ガンダム (マスターグレード)

 (バンダイキット改造)

1998年10月10日付でサンライズの許諾制度が改定されましたが、
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日高 紀幸

Newsgroups: fj.rec.models
From: ryuk@ics.cpd.mei.co.jp ()
Subject: [Char]1/100 MG RX-78
Message-ID: 
Sender: news@chorus.isl.mei.co.jp
Nntp-Posting-Host: 132.182.9.25
Organization: Matsushita Electric IND. Co.,Ltd., Osaka, Japan
X-Newsreader: TIN [version 1.1 PL8]
Date: Sun, 27 Aug 1995 23:36:33 GMT
Lines: 364

日高「夏休みをこんなことに 費やした男!!」@松下電器

MG(モデルグラフィックス)より早い!(^_^) 1/100 MGガンダム製作レポ!!


7/19にキャラ物モデラーの話題と期待を背負ってリリースされた
バンダイの1/100 MGガンダム製作レポです。

とっても長いので ご注意下さい。



1.キットについて

バンダイとホビージャパンの共同企画として、かの初代RX−78ガンダムの
「マスターグレード」なキットとしてリリースされました。

スナップフィット、イロプラ成型と初心者にも優しい構成ですが、パーツ数の
多さはなかなかに強力です。一部差し替えで変形するコアファイターと
コアブロックのみパーツもついて、遊べるキットでもあります。

全体のプロポーションやシルエットは マスターを謳うだけあってなかなか
よいラインをとっていますが、ハッチオープンのギミックや意味とセンスに
乏しいパネルラインが せっかくの質を落としているようです。


#製作レポの前に 手軽に楽しみたい人へのワンポイントアドバイス!!

	・開閉するコクピットハッチのためのポリキャップを 胸パーツに
	  入れる時には、ポリキャップパーツを綿棒の芯に差し込んでから
	  やるほうが うまくいきます。ちょっと狭い部分ですので指で
	  押し込むのはちょっとだけコツがいります。
	  
	・色ぐらいは塗っちゃう という場合、ほとんどの部品が色別に
	  なっていて作り易いのですが、コアファイターとコアブロックだけは
	  塗り分け(マスキング)が必要です。注意しましょう。
	  ガンダムのオナカ回りの赤い部分は上部に4つあるピンを切りとばして
	  おけば、塗装したあとに青い胸パーツに接着できます。
	  (いい時代になったなぁ ^_^)

	・簡単に継ぎ目消しぐらいはやろうかな という場合、各パーツのヒケを
	  整えるとよりいっそうグーです。スナップフィット用の軸が立ってる
	  あたりなどは肉厚が急激にかわるので、プラスチックの表面にヒケが
	  でやすくなります。



2.部品のチェックと洗浄
	組み立て説明書(カラー写真や設定入りのちょっと豪華な奴です)を
	参照に、部品をチェックし、パーツの油分を落とすべく中性洗剤と
	使い古しハブラシでこすり洗いします。



3.仮組
	キットのバランスをみるべく、説明書に従って仮に全部組み上げて
	ます。このとき左右で良く似た形のパーツは目立たない所に
	エンピツなどでLとかRとかと印しを入れておきます。
	
	仮組をばらす時には、精密ドライバーのマイナスを2〜3本つかって
	スナップフィットをバラすようにします。刃がついてない分カッターで
	こじるより安全です。
	また、このキットのスナップフィット自体はそんなにきつく無いので
	この方法で難無くバラせてしまいます。
	(0083シリーズは異様にかたくて難渋いたしました)
	

4.改修計画を立てる。

	気になるのは次の部分。
	
	・胸、膝、ふくらはぎなどのパネルラインの凹モールドの形状が
	  センスと意味に乏しい。さらにはモールド自体が太すぎる。
	・首下の黄色い部分が下に長すぎる。
	・上腕のダクトモールドが余分。捻りのための関節位置が低すぎる
	  (肘に近すぎる)。
	・下腕のギミックが嫌。
	・腕が心持ち短い。
	・シールドの横幅がやや大きいし、上下が非対称。
	・腰まわりのアーマー形状がパンツのようで嫌。
	  (ハイレグという表現あり ^_^)
	・足首のアーマー形状と 足の甲の丸っこさが嫌
	

	以上はあくまでも私の主観ですのであしからず(^.^)。
	これらに加えてやっぱりカッコイイ、カトキ版のテイストを振り混ぜる
	ことに決定しました。
	
	

5.改修しつつ、製作

   ・頭部。
	ガンダムモデラーにしては少数派の「ガンダムの顔へのこだわりがない人」
	な私は キットの抜きの都合でダレてるモールドを掘り直すぐらいしか
	手はいれてません。電子ジャーと悪評な内部メカは上部を削り飛ばし、
	露出できないようにヘルメット部を接着してしまいました。
	この時 やや深めにかぶせると良いようです。
	
	アンテナパーツはポリパーツの軟らかいのと、スチロール樹脂の堅いのと
	2つ付いてます。軟らかい方はPL法対策かなと思われます。
	もちろん堅いほうを使います。
	

   ・胸部
	胸とコクピットハッチが面一なのが初代ですが、今見るとちょっと間延びした
	印象がぬぐえません。それとオーバースケールな点検(?)ハッチ
	モールドも問題です。航空機風の処理をねらったのでしょうが
	初代ガンダムはあくまでも「陸戦兵器」だったはず、ザクマシンガンを
	跳ね返す装甲部に無意味なハッチがあるのはやはり受け入られないの
	です。
	(4号戦車はどうなる!! という 突っ込みは許して ^_^;;)
	
	まず、首の黄色い部分の下部を3mmほど切断。襟(?)をプラ板で新造
	します。もちろん3段のモールドも合わせて付け直します。

	胸のパネルモールドをとっぱらい、首の黄色い部分を短くしたのに対応する
	ため0.5mmのプラ板を張り付けます。
	黄色い部分を仮止めし、青い胸パーツの傾斜した前面にマスキングテープで
	切り出すプラ板の形状のアタリを出し、それをプラ板に張り付けて切り出す
	方法だと簡単です。
	
	
	カトキ風テイストの追加
	コクピットハッチ部も上部を1.5mmぐらい切断します。キットの部品の上部
	の蓋にあたる板がマルマルなくなる計算です。そして、あらたに0.5mmプラ
	板で蓋を新造します。これで元のパーツより1.5mm胸パーツとの間に段差が
	出来るようにします。
	幸いこのパーツはこの改修をしてもハッチ開閉の可動には影響しません。
	
	段差ができた分、胸のパーツ側もコクピットハッチ上端に対応する部分に
	0.5mmプラ板二枚重ねで厚みを追加します。その左右のダクトへのラインも
	1.5mm幅くらい斜めに面取りします。
	
	胸のダクトの黄色いカバーはフィンの部分をデザインナイフで薄々に
	削ります。
	
	
   ・肩部
	ここも上部の蓋(?)開閉ギミックが欲しいので手を入れます。
	まず、二つあるスナップフィット用のピンのうち、内側の部分のみを
	残して、上部の蓋になってる板上の部分を切り取ります。
	次にスカスカになった肩パーツの上部を塞ぐパーツをデッチアップします。
	今回は手元のジャンクパーツから 1/144 GP−03ガンダム
	ステイメンのカバーの開かない下腕からでっちあげました。
	もちろん2mmのフレキ棒でバーも付けます。
	可動のために直径1.9mm(だったかな? ^_^;;)の真鍮パイプも仕込みます。
	
	残したスナップフィット用の軸のすぐ外側にカバー可動の軸を0.9mm
	真鍮線で追加しカバーパーツを組み込みます。
	
	# 頭を電子ジャーにするくらいなら、ここにギミック入れて欲しいぞ
	# バンダイ!!
	
	
   ・腕部
	いろいろと手を入れてしまいます。
	
	下腕:
	まずは新造します(おいおい いきなりやなぁ ^_^)。
	カトキ版RX−78の腕がシャープでカッコ良いのでそれを参考に作ります。
	側面の形状が長く引き延ばした六角形をしているのが特徴ですね。
	これを0.5mmプラ板、5mmと2mmのプラ棒でスクラッチします。
	この時、二重関節になった肘の下腕側のポリパーツの軸経が4mmと中途半端
	なので下腕パーツから切り取って移植します。
	
	ここでちょっと失敗、パーツの垂直出しがいい加減だったので、腕の断面が
	長方形でなく、平行四辺形気味(^_^;;)。
	(さらには 塗装後のバランスチェックでやや 細身に見えてしまう・・・
	  もいっかい作り直そうかなぁ・・・)
	
	
	上腕:
	まずこんなところにあるのが 解せないダクトモールドを埋めます。
	腕捻りの関節位置を移動させるため、そのダクト部の直下で切断し、肘側
	の軸を移植します。逆に切り落とした方の 軸を受ける穴の部分を肘側に
	移植します。この時 切り離す際のカミソリ鋸の切りシロの分(だいたい
	それぞれに0.5mmぐらい?)を0.5mmプラ板で補っておきます。
	
	この改修で腕ひねりの位置が肘から離れてスッキリします。
	(だって、ネジリ軸と肘関節があんなに近いのは構造上ヘン。ダクトも
	  セミモノコックの機体構造からみてヘンだもの)
	
	今回は改修しませんでしたが、肘の部分可動方向の絞り込みが変です。
	ここをいじるとなると 結構おおごとなので止めましたが上腕と面一ぐらいの
	方が良いと思います。
	
	
   ・手部
	可動手首、ポリ製でポーズ付け可能の手首、握り拳手首の3種類があります
	がそれぞれ、ヒケが目立ちますのでパテで整えます。
	左手の握り拳はHJを参考にシールド保持専用として、シールドの把手
	パーツと組み合わせて接着します。


   ・腹部
	特に手は加えてません。赤いパーツが 胸部に後から はめて接着できる
	ように、スナップフィット用のピンの削り落としだけ行いました。
	

   ・ランドセル
	ほとんどそのままですが、バーニア(決してアポジモーターではない!^_^)
	の縁を薄々にするのと、バーニア自体をもう一組、追加して四発にしてあり
	ます。この部分、マージンがあるのでランドセルカバーをいじらなくても
	追加できます。


   ・腰部
	フンドシ部分がやや上下に長い気がするので、正面から見て斜めになって
	いる底面を直角になるように下部を切断します。
	
	フンドシパーツの背中側はボリュームが小さいようだったので前後方向に5mm
	厚みを増やします。同時に下部に0.3mmプラ板で枠を作り、バーニア
	を2個追加します。
	
	バズーカラッチのギミックを活かしてなおかつ、上下分離式にしたいところ
	ですがここはキットのギミックを尊重しておきます。
	(めんどくさかったんだもん ^_^;)
	
	フロントとリアのスカートアーマーが短いのと下部が急な斜めに処理されて
	て「パンツ」みたいなので それぞれフロントは7mm、リアは6mm延長して
	形状も変更します。
	これはキットのパーツに0.5mmプラ板をサンドイッチのように
	張り付ける形式で行ってますので厚みのボリュームも増えてます。
	
	黄色のジェネレータ(?)はアーマー側の嵌め込み部がプラ板で埋まった
	ので、その分厚みを削っておきます。
	

   ・脚部
	ふともも部は下部に側面から前面にかけてあるモールドを埋めます。
	これだけでパーツ構成の解釈が変わり、「(セミ)モノコック」風なのが
	強調され(ると思い)ます。
	
	膝のカバー(?)アーマーに入ってるモールドは全然ダメです。特に
	四角で囲まれたパネル(?)様のモールドがアーマーらしさをぶち壊し
	てます。
	そこで下部のヘの字(というかつながったハの字というか)のスジボリ
	モールドのみを残し、あとは埋めてしまいます。
	これで 弁慶の泣きどころからヨシツネの台所にかけてがすっきりと
	アーマーらしくなります(ヨシツネの台所ってどこやねん?! ^_^;;)。
	
	ふくらはぎのモールドも気に入らないので埋めます。このモールドと
	膝カバーのモールドとが一体に見えることの意図がわかりません。
	これだとこの部分で「切れた」ように見えて、構造感を崩してしまいます。
	代わりにふくらはぎの上部に水平にモールドを入れます。
	(このモールド追加がいまひとつだったのは また、別の話 ^_^;;)
	
	ふくらはぎ後部の内部メカやそのカバーギミックはそのまま残します。
	
	足首は内部メカ(?)のモールドがタルイので削り飛ばします。また
	足の甲が妙に高くて丸っこいので直線になるように削り落とし、開いた
	穴を0.5mmプラ板で塞ぎます。このプラ板に5mm角程度に台形の穴を開け、
	しんちゅうパイプなどでデッチアップしたアクチュエータ風パーツを
	仕込みます。直径の異なるパイプを組み合わせ、一方の端には糸ハンダ
	を接着しておきます。このハンダを固定することでパイプ自体にはある程度
	可動の余地が残り、足首全体の可動を邪魔しなくなります。もう一方の
	端はそのまま脚パーツに差し込むだけにしておきます。
	
	足の甲を低くしたので、それに合わせて足首カバーのパーツも下部4mm
	程度を切り飛ばしボリュームダウンします。今回はやりませんでしたが、
	前後方向も3mmぐらい縮めた方がよかったようです。


    ・コアファイター/コアブロック
	オマケですから、そのまま組んでます(おいおい^.^;)。
	コアファイターに手を入れるなら、主翼が「厚板」なんで薄い翼形断面に
	することと、主翼の横幅をもう少し大きく見せるように、拡幅したり
	垂直翼(?)の接続角度を広げるあたりでしょう。
	コクピットとキャノピー、ランディングギアも新造という道が残されて
	います(^_^)。


    ・シールド/ライフル/バズーカ
	ライフルとバズーカはそのままで、何も改修してません。シールドも
	不満は残るのですが、裏側のモールドとのつじつま合わせを考えると
	切った張ったでのバランス替えは手間がかかりすぎるので止めました。
	それにBクラブで出すでしょう(ほんまかいな ^_^)。
	
	唯一、シールドの赤いパーツに走ってるスジボリモールドを埋めました。
	これもふちの白い部分と一体になったようにスジボリが走り、「分割線」
	をイメージさせてしまってるのです。
	なんかこのキットにはこうした「理由も定かでないスジボリ」が多いです。


6.塗装

	まず 組み上がった部品を中性洗剤でもいっぺん洗います。これは改修とか
	継ぎ目消しのパテ等でついた埃を洗い流すためです。
	
	コアブロック、コアファイターと頭部の「電子ジャーのふた」部分の
	クリアパーツにはマスキングが必要ですので、塗装の段階に合わせて
	マスクします。
	
	#ただし、現時点ではコアファイターは未塗装です。もしかすると
	#手を入れるかもしれないので。
	
	
	このキットは ほとんど全てのパーツが塗装後に組み上げ、接着可能
	です。各パーツ毎に綿棒などで「持ち手」を付け、それを洗濯バサミで
	支えるように下ごしらえします。
	
	腰の黄色いパーツのように小さいものは綿棒に両面テープを付けたもので
	固定し、ふともも等は塗装段階で使わない関節ポリパーツを使って支える
	ようにします。
	
	
	ガンダムトリコロールの色について
	
	白:ガンダムといえば「連邦の白いモビルスーツ」です。白もなるべく
	    明度の高いまま「純白」を目指します。ただ塗料の原色ホワイトの
	    ままでは「ナマナマ」しすぎているので、極少量 寒色系のグレーを
	    混ぜます。
	
	青:パープルの色身を含ませた青に白を入れて明度を上げます。この方が
	    落ち着いた色彩になる(はず)なのです。
	
	赤:白をかなり多量に混ぜて、紅珊瑚くらいの色目にもっていきます。
	    
	黄:オレンジと白をまぜて、クドサを和らげます。
	
	初代ガンダムは特に黄色と赤のエリアが大きいので、なるべくやわらかく
	落ち着いた色に持っていくようがんばります。
	
	
	関節/ランドセルなどメカ色
	    黒鉄色とフラットアルミを1:2程度に混ぜて使いました。
	
	墨入れ
	    これは焦茶を使ってます。白に黒ではコントラストが付き過ぎるから
	    です。
	

7.最終組み立てとマーキング

	塗装が完了した各部品に、ジャンクパーツを漁ってきたデカールを
	貼ります。付属のガンダムシールの警告ステンシルは冗談のように
	オーバースケールなので貼りませんでした。
	(ランドセルのなんて2m超えるもんね ^.^;)
	
	艶を一定にするためにトップコートの艶消しクリアを吹き付けます。
	
	各部品を組み上げ、バーニアなどにかるくドライブラシで汚しを入れて
	出来上がり!!


大変長い記事おつきあいいただきましてありがとうございます。
いかがでしょうか MGガンダム with T.Komuro(何のこっちゃ)。

いろいろと手はいれましたが、そのままでも素直に楽しめる良いキットです。
特に組み立てやすさと、完成品の完成度とのパフォーマンスが非常に良いキットです。

初心者の方でも簡単に組み上げられますので、ガンダムに熱い想いを持った
方々はぜひ一度 手にとってみてください。

# でも品薄で手に取れない つう問題がある・・・(^_^;)

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  日高 紀幸 @松下電器 IEDC.ペリフェラル商品開発部
					     RYUK@ics.cpd.mei.co.jp   
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