この旅は96年10月12日〜28日にかけて、ロンドン、パリ、ローマの3都市を巡る一人旅。各都市は4〜5日滞在し移動は鉄道という計画。
ロンドンでは現地在住の友達と逢い、パリではルーブルに通い、パリ−ローマ間は途中ミラノで一泊して鉄道移動しシスティーナに行くぐらいのおおまかな計画のままの出発。
なお 日本ではコセキさんという方のご尽力で各大使館からの観光情報を入手。大感謝!
 
 

欧州放浪のまとめと決算

ここでは 次に旅する人への実用向けレポートを記す。なおすべての情報は
1996年8〜10月にかけてのものである。
 

・出発準備編
  ・パスポート等
 有効期限が半年以上あれば、英・仏・伊では2週間程度の観光にはビザ不要。

  ・航空券
 10月のヨーロッパ向け格安航空券、関空発欧州系航空会社なら
 エコノミーで11万円ぐらいから。FIXとかオープンとかPEXとか
 いろいろと種類があるので雑誌「ABロード」などで調査のうえ決定。

  ・アエロフロート ロシア
 今回の旅にはアエロフロートロシアのビジネスを選択した。長所・短所は
 次の通り。
 長所:
       安い。エコノミーで7.6万円 ビジネスで15万円。
       ビジネスはやっぱり快適。機内食はともかく、シートの差は
       疲れの差になる。
       大阪の出発時間が23:10と遅いので出発当日の仕事も可能。
       格安航空券でもオープンチケットである。
       (オープンとは出発時点で帰りの日付を決定しなくても良く、
         座席さえあれば日付の変更が可能なチケット)
 短所:
       アドオン(欧州内での航空機移動を無料または格安で行える制度)が
       ない。
       モスクワ経由で降りるモスクワ空港内が暗く、設備も古い。
       関空−>パリ便以外ではモスクワでの乗り継ぎ時間が長い。
       機内放送は英語とロシア語のみ。
 
 総合評価は「値段相応の路線、パリ直通便ならコストパフォーマンスよし」
 これは機材や機内サービスには特に大きな問題がないのだが、モスクワ空港
 でのロスタイムと その空港の雰囲気の悪さ(治安的には悪くない)が足を
 引っ張っているため。

  ・現地での都市間移動
 時間的な自由が効くことを優先し、鉄道の海外旅行者専用割り引きチケット
 ユーロパスを37000円で購入。これは現地に行ってからは買えないもの。

  ・スーツケース
 今回は食事のためのスーツを持って行く必要などから初めてハードタイプの
 スーツケースを購入。
 エコーラックブランドのT1500 ディスカウント価格15000円。
 これは傾けての二輪走行と普通の四輪走行の両方が出来るもの。
 お買い得だった。

  ・各地の情報について
 各国の大使館には観光情報が用意してあるので機会があれば集めるとよろし。
 なお今回は小関さんという方のご尽力で各大使館からの観光情報を入手。
 大感謝!
 ガイドブックはロンドン、パリについては「昭文社 個人旅行」シリーズを
 使ったがこれはお勧め。ローマのみ「JTBポケットガイド」だったがこれは
 使えない。
 なお、女性ファッション雑誌(「FIGARO」など)の特集も有益。
 

  ・お金について
 基本はクレジットカードである。ホテル、食事、買い物などのほとんどを
 これで済ませた(請求が怖い・・・ ^_^;)。
 VISA、JCB、マスターの3枚を分散して所持。
 
 とはいえ現金無しではタクシーにも乗れない。CitiBankの
 ワールドキャッシュ口座を利用。
 大阪での説明ではローマなどイタリアでは使えないとのことであったが、
 「Cirrus」というシステムに提携している銀行(ミラノ銀行など)
 で引き出し可能。日曜でもATMが動いているのでなにかと便利。
 
 円のT/C(トラベラーズ チェック)も イタリア向けに用意。ただし
 両替に際してはパスポートの提示が必須なのでちょっと面倒。

  ・セキュリティ
 服装は基本的に貧乏な格好で「金が無い」風にした。
 上記のカード、T/C類を分散して所持。
 パスポートNo、カード紛失の連絡先、T/Cナンバーなどを控えたメモ。
 パスポート用写真等などを登山用防水マッチケースに詰め、
 ドッグタグとして首からかけておいた。
 
 いずれも 実際に役立つような場面には出会わず。
 

・ホテル
 ロンドン    :現地在住の友人の手配による一泊100ポンド相当の
       「プラザ ハイド パーク (Plaza on Hyde Park)」を
        66ポンドで。
 パリ     :ベストウェスタンホテルズというホテル手配制度で
        3つ星ホテル「クールセル・エトワール(Courcells Etoile)」
        を一泊550フランで。
 ミラノ     :パリに着いてからJCBプラザで手配。
        4つ星ホテル「センチュリータワー(Century Tower)」
        一泊29万リラ
 フィレンツェ:駅のインフォメーションにて ホテル名指定で依頼。
        4つ星ホテル「アトランティコ(ATLANTICO)」
        一泊15.6万リラ
 ローマ     :ベストウェスタンホテルズというホテル手配制度で
        3つ星ホテル「ヴィラフランカ(VILLAFRANCA)」
        一泊16万リラ

 概算で1ポンド = 170円、1フラン=22円、1000リラ=75円
 見当の為替。

 いずれもバスタブ付き、ミラノ・フィレンツェは朝食付き。
 ロンドン、パリのホテル代は相対的に高く、フィレンツェが一番安くついた
 ことになる。
 各地とも朝夕の冷え込みが厳しいわりに部屋の暖房はそれほど強くない
 ので眠る時の服装には注意が必要。
 
 
 

決算編

以下に食事、買い物を除いた 移動・宿泊・観光・雑費にかかった金額の概算をあげる。
パリでタクシー料金がかかっているのは夜間の地下鉄を治安面で避けたことによる。
また、ローマは地下鉄が二線しかなく、またバスも乗り難い。そのためタクシーでの
移動が主となりがち。
 

出発前:
 関空空港税       2,600 円
 航空券    150,000 円
 ユーロパス5日間    37,000 円
 スーツケース     15,000 円
 隠しポケット付きベルトなど     7,000 円
 
小計     211,600 円

ロンドン:
 空港バス(空港−>ホテル)   75 ポンド
 ホテル(66×4泊)  264 ポンド
 地下鉄1日券(各種)    15 ポンド
 博物館等     20 ポンド
 ロンドン周遊バス    10 ポンド
 タクシー     20 ポンド
 
ユーロスター1等(ユーロパスでの半額割引)
       77 ポンド

小計     481 ポンド(約 85,000円)
 

パリ:
 タクシー(駅 −> ホテル)     71 フラン
 ホテル(550+6 × 5泊) 2780 フラン
 Paris Visit(5日間地下鉄券)   170 フラン
 美術館など     300 フラン
 タクシー     270 フラン
 

TGV 指定席料金     150 フラン

小計     3741 フラン(約 86,000円)

ミラノ:
 タクシー(駅 −> ホテル)     2,500 リラ
 ホテル(一泊)   290,000 リラ
 地下鉄        3,000 リラ
 ドゥモ        2,000 リラ

ミラノ−>ローマ 座席指定料      5,000 リラ

フィレンツェ:
 ホテル(一泊)   156,000 リラ

ローマ:
 タクシー(駅 −> ホテル)   10,000 リラ
 ホテル(16万 × 3泊) 480,000 リラ
 美術館等     60,000 リラ
 タクシー     60,000 リラ
 

小計     1068,500 リラ
      (約 80,000円)
 

概算合計    462,600円

ヨーロッパ二週間の食費・買い物を除いた 一人旅の予算の参考値にはなると
思われる。
ホテルに一泊1万円強の予算をあてているので若干高めである。
二人以上でツイン1室を使えば同じランクでも一人当たりの予算は70%程度に
なるはず。
なお、教会等に階段で登ったり、なるべく歩いて名所巡りをすると 脚の
シェイプアップになる。実体験で実証済み(^_^)。
 

・食事について

ロンドン:夕食で15〜25ポンド、昼食で5〜9ポンド程度の予算。
   もちろんもっと安くも高くも出来る。噂ほどにはひどくない。
 
パリ:    夕食で50〜200フラン、昼食で30〜120フラン程度。
   総菜屋やパン屋での買い込み、定食などを使えば リーズナブルになる。
   意外に(?)カフェでのコーヒー代がばかにならかった。
   よく歩けば喉も乾くし、休みたくもなるもの。
   味は基本的にハズレはない。美味い。

ミラノとフィレンツェ:
   いずれも一泊しかしていないので詳細は判らず。
   ただ、コストパフォーマンスという点ではフィレンツェは良い。

ローマ:  夕食で3万リラ前後、昼食で2万リラ前後。店ごとのあたりハズレが
   大きい。値段と味は必ずしも相関しない。